ここでは、日本国内にいる外国人を【特定技能外国人】として雇用する場合について説明します。「海外にいる特定技能外国人」を雇用する場合については、こちら。
- 特定技能外国人材について
- 受入れ手続きの概要について
- 海外にいる外国人を雇用する場合について
- 国内にいる外国人を雇用する場合について
- 1号特定技能外国人支援計画について
- 特定技能雇用契約について
- 登録支援機関について
4.1 日本国内にいる外国人について
日本国内にいる外国人は、日本に在留するためのなんらかの在留資格を持っています。その外国人を『特定技能外国人』として雇用するには、その在留資格を『特定技能』に変更する必要があります。
在留資格を『特定技能』に変更可能な外国人は、
- 技能実習2号を良好に修了した者
- 日本国内の日本語学校を卒業した留学生等で、特定技能評価試験『技能試験と日本語試験』に合格した者
となります。
4.2 技能実習2号の修了者
技能実習2号を良好に修了した外国人は、特定技能への在留資格の変更が可能です。また、特定技能評価試験【技能試験と日本語能力試験】も免除されます。
一方、『技能実習』で実習中の外国人等の技能実習2号を修了していない外国人の場合は、特定技能評価試験『技能試験と日本語能力試験』を受験して合格する必要がありますが、日本国内で実施される特定技能評価試験(技能試験と日本語能力試験)を受験することはできません。
尚、『技能実習2号』での在留経歴があり、実際に『技能実習2号」「『技能実習3号」「『特定活動』『「外国人建設就労者又は造船就労者として活動しているもの』のいずれかで在留中の外国人のうち、2019年4月から9月末までに在留期間が満了する方には、「特例措置(※)」があります。
(※)在留資格『特定技能』の新設に係る特例措置については、こちらをご参照下さい。
4.3 特定技能評価試験の合格者
日本国内の学校を卒業した留学生等は、特定技能評価試験『技能試験と日本語能力試験』に合格することで在留資格を『特定技能』に変更可能となります。
一方、以下に示す日本にいる外国人は特定技能評価試験の受験資格がありませんので、在留資格『特定技能』への変更はできません。
- 退学・除籍処分となった留学生
- 失踪した技能実習生
- 在留資格『特定活動(難民認定申請)』により在留する外国人
- 在留資格『技能実習』による実習中の外国人
4.4 国内にいる外国人との雇用契約について
特定技能外国人を雇用したい会社が、国内にいる外国人との採用面接を行った結果、採用が内定しましたら直接雇用契約を結びます。この雇用契約を「特定技能雇用契約」といいます。
『特定技能雇用契約』には、報酬額や労働時間等において、外国人であっても日本人と同等の条件で雇用しなければならない等の『定めなければならない事項』あります。
『特定技能雇用契約』や『定めなければならない事項』に関する詳細につきましては、こちらをご参照下さい。
4.5 1号特定技能外国人支援計画の策定について
1号特定技能外国人を雇用する場合、その特定技能外国人が『特定技能1号』の活動を安定的かつ円滑に行うことができるようにするための職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支援の実施に関する計画『1号特定技能外国人支援計画(※)』を作成し、その支援計画に基づいた支援を行わなければなりません(ただし、自社での支援が難しい場合は、その全てを『登録支援機関(※)』に委託することができます。当社は『登録支援機関』として登録済み【登録番号:19登-001425】です。)
4.6 在留資格変更申請について
特定技能外国人と特定技能雇用契約を結び支援計画等の準備が済みましたら、地方出入国在留管理局に在留資格変更の申請を行います。在留資格の変更申請は、原則外国人本人が行います(地方局長に申請取次者として承認を受けた場合のみ、受け入れ機関の職員が申請を取り次ぐことが可能です)。
特定技能への在留資格変更をする際は、以下の要件を満たしている必要があります。
- 18歳以上であること
- 技能試験及び日本語試験に合格していること(技能実習2号を良好に修了した外国人は免除)
- 特定技能1号で通算5年以上在留していないこと
- 保証金を徴収されていないこと又は違約金を定める契約を締結していないこと
- 自らが負担する費用がある場合、内容を十分に理解していること
また、特定技能の在留資格変更許可申請時に提出する書類は、下記の通りです。
書類の種類 | 要 | 留意事項 |
・申請する特定技能外国人の名簿
|
△ | 同一の特定技能所属機関(受入れ機関)に所属する複数の特定技能外国人を同時に申請する場合に必要 |
・在留資格変更許可申請書
|
○ |
申請人の写真(縦4cm×横3cm)の裏面に申請人の氏名を記載して申請書の写真欄に貼付
※申請前3か月以内に正面から撮影された無帽、無背景で鮮明なものであること
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・特定技能外国人の報酬額に関する説明書
|
○ | 特定技能外国人の報酬額が、日本人が従事する場合の報酬額と同等以上であることの説明書 |
・特定技能雇用契約書の写し
|
○ | 申請人が十分に理解できる言語での記載も必要 |
・雇用条件書の写し
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||
・事前ガイダンスの確認書
|
||
・支払費用の同意書及び費用明細書
|
||
・徴収費用の説明書
|
○
|
住居費・光熱費・食費等、徴収する費用に関する説明書 |
・特定技能外国人の履歴書
|
○ | |
・分野別運用方針に定める技能試験の合格証明書の写しまたは合格を証明する資料
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○ | 申請人が技能実習2号を良好に修了した者であることを証明する場合には、提出は不要(特定技能1号のみ) |
・分野別運用方針に定めるその他の評価方法により技能水準を満たすことを証明する資料
|
||
・分野別運用方針に定める日本語試験の合格証明書写し又は合格したことを証明する資料
|
○ | 申請人が技能実習2号を良好に修了した者として日本語試験の免除を受ける場合には、提出は不要 |
・技能検定3級又はこれに相当する技能実習評価試験の実技試験に合格したことを証明する資料
|
○ | 申請人が技能実習2号を良好に修了した者であることを証明する場合で、かつ、技能検定3級等の実技試験に合格している場合に提出が必要 |
・技能実習生に関する評価調書
|
○ | 申請人が技能実習2号を良好に修了した者であることを証明する場合で、かつ、技能検定3級等の実技試験に合格していない場合に提出が必要 |
・健康診断個人票
|
○ |
日本に在留中の場合は、日本国内で受診したものの提出が必要
※別の様式での提出でも差し支えないが、参考様式にある受診項目が記載されたものに限る
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・通算在留期間に係る誓約書
|
○ | 『特定技能1号』の通算在留期間が4年を超えた後の申請においては提出が必要 |
・直近1年分の個人住民税の課税証明書及び納税証明書
|
△
注1
|
|
・給与所得の源泉徴収票
|
△
注1
|
|
・税目を源泉所得税及び復興特別所得税、申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税、相続税、贈与税とする納税証明書
※税務署発行の納税証明書(その3)
|
△
注1
|
|
・納税緩和措置(換価の猶予、納税の猶予又は納付受託)の適用がある旨の記載がある納税証明書
※項番19の税目のうち、未納がある税目について、税務署発行の未納額のみの納税証明書(その1)
|
△
注1
|
|
(地方税)
・納税緩和措置(換価の猶予、納税の猶予又は納付受託)に係る通知書の写し
|
△
注1
|
|
・国民健康保険被保険者証の写し |
△
注1
|
|
・国民健康保険料(税)納付証明書 |
△
注1
|
|
・国民年金保険料領収証書の写し(在留諸申請の日の属する月の前々月までの24か月分全て)
・被保険者記録照会(納付Ⅱ)
※いずれかを提出
※国民年金保険料領収証書の写し(在留諸申請のあった日の属する月の前々月までの24か月分全て)を提出する場合は、被保険者記録照会回答票の提出が不要
※国民年金保険料の納付から被保険者記録照会(納付Ⅱ)への納付記録の反映までに時間を要することから、反映前に提出する場合は、被保険者記録照会(納付Ⅱ)に加え、該当する月の国民年金保険料領収証書の写しも提出が必要。
|
△
注1
|
|
・被保険者記録照会回答票 |
△
注1
|
|
・納付(税)緩和措置(換価の猶予、納付の猶予又は納付受託)の適用がある旨の記載がある国民健康保険料(税)納付証明書
・納付(税)緩和措置(換価の猶予、納付の猶予又は納付受託)に係る通知書の写し
※いずれかを提出
|
△
注1
|
|
・特定技能所属機関概要書
|
△
注2
|
|
・登記事項証明書
|
△
注2
|
特定技能所属機関が法人である場合のみ提出が必要 |
・住民票の写し(法人)
|
△
注2
|
|
・住民票の写し(個人事業主)
|
△
注2
|
|
・特定技能所属機関の役員に関する誓約書
|
△
注2
|
住民票の写しの提出を省略する役員がいる場合に提出が必要 |
・決算文書の写し(損益計算票及び貸借対照表)(直近2年分)
|
△
注3
|
特定技能所属機関が法人である場合に提出が必要 |
・法人税の確定申告書の控えの写し(直近2年分)
|
△
注3
|
特定技能所属機関が法人である場合に提出が必要 |
・申告所得税の納税証明書(その2)(直近2年分)
|
△
注3
|
特定技能所属機関が個人事業主の場合に提出が必要 |
・労働保険料等納付証明書(未納なし証明)
|
△
注6
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|
・領収証書の写し(直近1年分)
・労働保険概算・増加概算・確定保険料申告書(事業主控)の写し(領収証書に対応する分)
※労働保険事務組合に事務委託している事業場は、事務組合が発行した「労働保険料領収書」の写し(直近1年分)及び労働保険料等納入通知書の写し(領収書に対応する分)
|
△
注2
|
特定技能所属機関が労働保険の適用事業所の場合に提出が必要 |
・雇用の経緯に係る説明書
|
○ | 職業紹介事業者、取次機関等の仲介業者に支払った費用に関する説明書 |
・職業紹介事業所に関する「人材サービス総合サイト」(厚生労働省職業安定局ホームページ)の画面を印刷したもの
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○ | 雇用契約の成立をあっせんした者がある場合、提出が必要 |
・社会保険料納入状況照会回答票
・健康保険・厚生年金保険料領収証書の写し(在留諸申請月の前々月迄の24ヶ月分全て)
※いずれかを提出
※健康保険・厚生年金保険料の納付から社会保険料納入状況照会回答票への納付記録の反映までに時間を要することから、反映前に提出する場合は、社会保険料納入状況照会回答票に加え、該当する月の健康保険・厚生年金保険料領収証書の写しも提出すること。
|
△
注5
|
特定技能所属機関が健康保険・厚生年金保険の適用事業所の場合、提出が必要 |
・国民健康保険証の写し
|
△
注2
|
|
・国民健康保険料(税)納付証明書
|
△
注5
|
|
・被保険者記録照会回答票
|
△
注2
|
|
・「国民年金保険料領収証書の写し(在留諸申請の日の属する月の前々月までの24か月分全て)」
・「被保険者記録照会(納付Ⅱ)」
※いずれかを提出
※国民年金保険料領収証書の写し(在留諸申請のあった日の属する月の前々月までの24か月分全て)を提出する場合は、被保険者記録照会回答票の提出は不要。
※国民年金保険料の納付から被保険者記録照会(納付Ⅱ)への納付記録の反映までに時間を要することから、反映前に提出する場合は、被保険者記録照会(納付Ⅱ)に加え、該当する月の国民年金保険料領収証書の写しの提出が必要。
|
△
注5
|
|
・税目を源泉所得税及び復興特別所得税、法人税、消費税及び地方消費税とする納税証明書
※税務署発行の納税証明書(その3)
|
△
注2
|
特定技能所属機関が法人である場合に提出が必要 |
(地方税)
・税目を法人住民税とする納税証明書
※市町村発行の納税証明書
|
△
注2
|
特定技能所属機関が法人である場合に提出が必要 |
・税目を源泉所得税及び復興特別所得税、申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税、相続税、贈与税とする納税証明書
※税務署発行の納税証明書(その3)
|
△
注2
|
特定技能所属機関が個人事業主である場合に提出が必要 |
(地方税)
・税目を個人住民税とする納税証明書
※市町村発行の納税証明書」
|
△
注2
|
特定技能所属機関が個人事業主である場合に提出が必要 |
・1号特定技能外国人支援計画書
|
○ | |
・支援委託契約書の写し
|
○ | 1号特定技能外国人支援計画の全部の実施を登録支援機関に委託する場合のみ提出が必要 |
・支援責任者の就任承諾書及び誓約書
|
△
注2
|
登録支援機関に委託せずに1号特定技能外国人支援を行う場合のみ要提出 |
・支援責任者の履歴書
|
||
・支援担当者の就任承諾書及び誓約書
|
||
・支援担当者の履歴書
|
||
・特定技能所属機関の四季報又は主務官庁から設立の許可を受けたことを証明する文書の写し
|
○ | その他の実績を証明する場合のみ |
・特定技能所属機関の法定調書合計表の写し
|
△
注3
|
|
・特定技能外国人受入れに関する運用要領【別冊(分野別)】に記載された確認対象の書類(誓約書等)
|
○ | |
注1)申請人に係る過去1年以内の在留諸申請(在留資格認定証明書交付申請、在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請)において提出済み(内容に変更がない場合に限る。)の場合は省略可
注2)受け入れている任意の外国人に係る過去1年以内の在留諸申請(在留資格認定証明書交付申請、在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請)において提出済み(内容に変更がない場合に限る)の場合は省略可
注3)受け入れている任意の外国人に係る在留諸申請において同一年度のものを提出済み(内容に変更がない場合に限る)の場合は省略可
注5)受け入れている任意の外国人に係る過去1年以内の在留諸申請(在留資格認定証明書交付申請、在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請)において提出済みの場合は省略可
注6)初めて受け入れる場合の在留諸申請(在留資格認定証明書交付申請、在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請)時のみに提出が必要なもの
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4.7 雇用の開始
「特定技能」への在留資格変更が済みましたら、いよいよ特定技能外国人の雇用開始となります。
雇用後も「特定技能雇用契約」を確実に履行することや、支援の適切な実施及び地方出入国在留管理局への各種届出などを遵守しなければなりません。これらを怠ると外国人を受け入れられなくなる他、出入国在留管理庁から指導や改善命令を受けることがあります。
また、特定技能外国人を雇用する場合には、厚生労働省、経済産業省、農林水産省が組織する各業界の「協議会」の構成員になる必要があります。